天空の女神 ジュノー (World Championship Series 2016 優勝賞品)

概要

**天空の女神 ジュノー(2016-EN001)**は、遊戯王OCGに登場する光属性・天使族のペンデュラム・効果モンスターである。星8・攻守ともに3000という高い数値を持ち、ペンデュラムスケールは青1/赤1と極端なスケールを誇る。最大の特徴は「自分が直接攻撃で相手のLPを0にした場合に、そのマッチ自体に勝利する」という“マッチキル”効果を所持している点である。

その始まりは2016年の世界大会優勝賞品として登場した極めてレアなカードで、わずかに2枚しか存在しないと言われている。そのため、公式のデュエルでは使用不可とされており、実際には特別な記念品のような扱いを受けている。

後に一般流通を目的とした再録版が「EXTRA PACK 2017」に収録されたが、オリジナルの英語版（カード品番: 2016-EN001）は世界大会の優勝者にしか与えられない特別なカードだった経緯があり、歴史的にも希少性は高い。再録版自体は流通数がある程度あるものの、初期版はわずか数枚しか存在しないため、コレクターの間では非常に高額で取引される場合もあるようだ。

イラストには、悠然と天上から地上を見下ろす女神の姿が描かれている。この女神の名前「ジュノー」は古代ローマ神話に登場する主神ユピテル（ギリシャ神話のゼウスに相当）の妻であるユノ（ユーノー）に由来するとされ、また同名の木星探査機「Juno」との関連性も示唆されている。2016年の世界大会開催地がフロリダ州であったことや、「Juno」探査機が木星周回軌道に到達した時期も2016年であることから、そうした背景をカードに盛り込んだのではないかとも言われている。

カードの効果は強力でありながら、公式デュエル使用不可という制限を抱えているため、実際のゲームで相手をマッチキルする場面を見ることはない。しかし、天使族モンスター3体のリリースを強要する豪快な召喚条件や、自分フィールドに他のモンスターが存在しない状態で相手LPを一撃で破壊しなければならないなど、決して容易ではない条件をそろえれば、このカードの持つ伝説の“即マッチ勝利”を引き起こすことができる点でファンの心をくすぐる存在である。

また、ペンデュラム効果としても、天使族Pモンスター3体を除外し、ペンデュラムモンスター1体の直接攻撃で相手のLPを0にすればマッチ勝利という類を見ない効果を付与できる。天使族Pモンスターは種類が少なくコンボ構築も難しいが、実現できたときの破壊力は圧巻と言える。

元々の頒布形態が世界大会の記念品であり、さらに効果に“マッチ勝利”が付いているため、公式のレギュレーションで使用不可とされるのはある意味必然であろう。コレクターズアイテムとして観賞用や歴史的な資料としての価値は大きく、文字通り“天空”の領域から降臨した女神のような神秘性をそなえたカードである。

総評

「天空の女神 ジュノー」は、その壮大なフレーバーや“相手LPを0にするだけでマッチキル”というゲームメイク破壊級の効果ゆえに、ファンの間では非常に注目を集めてきた。行使できる大会がほぼ存在しないうえ、初期版はわずか数枚のみという驚異的なレア度を誇る。まさに遊戯王の歴史に名を刻む一枚として、今後もコレクターたちの間で高い需要と関心を持ち続けるであろう。