Splendid Genesis

カテゴリ
card > TCG > MTG
Level
取引価格目安
7,200,000円
所有者
不明
アイテム説明
概要
《Splendid Genesis》は、トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」の生みの親であるリチャード・ガーフィールドが、第一子である長女テリーの誕生を記念して1997年秋に製作した特別なカードである。わずか110枚しか作成されておらず、親しい友人やウィザーズ・オブ・ザ・コーストの社員に限定して配布されたと言われている。
このカードは緑(コストは緑マナ4点)のソーサリーで、カードテキストには「ゲーム中のすべてのカードを切り直し、それらを3つのデッキに分ける。そのゲームを新たなプレイヤーを加えて継続する」とある。遊びの要素とお祝いムードを盛り込んだ非常にユーモラスな効果であり、二度と手に入らないほどの希少性を秘めている。
歴史的背景
リチャード・ガーフィールドは1993年にマジック:ザ・ギャザリングを発表し、世界的なカードゲームブームを確立した人物である。そんな彼が家族の節目を祝うために自らデザインしたカードという点で、本カードには特別な物語が刻まれている。MTG史上、家族の誕生祝いや特定の記念日などに合わせた「イベントカード」はいくつか存在するが、そのほとんどがごく少数部のみ製作され、一般流通されることはない。
《Splendid Genesis》のうち流通市場に出たものは極めて少数である。現存する個体が全体でどれほど残っているかすら把握が難しい状態とされており、それゆえコレクター価格が高騰している。オークションや専門店などで高値がついており、近年では数百万円から数千万円規模、あるいは1,000万円を超える取引例も報告されてきた。
カードのフレイバーテキストはガブリエル・ガルシア=マルケスの引用であり、「子供を愛するのは我が子だからではなく、一緒に過ごすことで築かれる友情ゆえである」という趣旨の言葉が添えられている。こうした文学的引用が加わることで、家族愛とクリエイターとしての遊び心が見事に融合した、非常に独特な作品となっている。
希少性と価値
本カードが圧倒的な価値を誇る理由は、その稀少性だけでなく、MTGの創始者が自身のプライベートなイベントを祝うために制作したという歴史的・文化的背景にある。一般的にMTGのプロモーションカードや特別記念カードは数千枚から数万枚単位で用意されることがあるが、《Splendid Genesis》に関してはたった110枚しか存在しない。その少なさゆえに市場ではめったに出回らず、どの個体もプレミア化している。
また、収集家の間では「リチャード・ガーフィールド関連の特別カード」は別格の人気を誇る。実際、《Splendid Genesis》だけでなく、同じくガーフィールドが記念に作ったとされる『Proposal』や『Fraternal Exaltation』『Phoenix Heart』などもいずれも極めてレアな存在として扱われている。加えて、それらのカードが持つストーリー性・家族への想いといった要素が相まって、単なる希少品の域を超えた歴史的資料としての意義をも持つと言える。
近年ではインターネット通販サイトやカードショップで販売例を見ることがあるが、いずれも価格は高騰の一途をたどっている。数百万円台の提示もあれば、状態が良いものや「NM(Near Mint)品」で1,000万円以上を提示する例もある。ベンダーやショップごとに金額設定が異なるため幅はあるが、いずれにしてもMTGの中でも超高額帯に属することは間違いない。
総評
《Splendid Genesis》はMTG史上屈指のレアリティを誇る記念カードである。わずか110枚しか存在しない事実と、クリエイターであるガーフィールドが家族の誕生を祝う個人的な理由で製作したという点が希少性をより一層高めている。その結果、世界的なコレクターから極めて高い需要があり、市場価格も数百万円から数千万円単位におよぶ。「歴史的意義」「個人的なストーリー性」「過去のオークションや専門店での高額取引」という数々の要素が合わさり、唯一無二の価値を確立していると言える。
今後もMTGの歴史の中でこのカードの価値は揺るぎないものとなり、流通数が限られることから、その希少性はますます高まり続けるだろう。リチャード・ガーフィールドが生み出した象徴的作品として、そしてカードゲーム文化全体の貴重な遺産として、コレクションロマンを刺激する逸品である。