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Black Lotus(LEA)

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カテゴリ

card > TCG > MTG

Level

取引価格目安

20,000,000円

所有者

不明

アイテム説明

Black Lotus(LEA)

**Black Lotus(LEA)**は、1993年に発売されたトレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』の最初期セット「アルファ版(LEA)」に収録されたアーティファクト・カードである。MTGにおける“パワー9”と呼ばれる特に強力な9枚のカードのうちの1枚であり、わずか0マナで任意の色のマナを3点生み出すことができるため、ゲーム序盤の展開速度を飛躍的に向上させる効果をもつと言われている。

このカードがなぜここまで希少性と価値を持つに至ったかという理由はいくつか存在する。まず、ほんの短い期間に生産されたアルファ版の印刷枚数が非常に少なく、現在まで保存状態の良い個体が市場にほとんど残っていないことが大きい。製造当初はただのゲーム用カードとして扱われていたため、カード完品として保存されていないケースも多く、プレイや不適切な保管状態によって傷や汚れがつきやすかった背景がある。さらに、再録禁止カードリスト(公式が繰り返し再版しないと定めたリスト)に含まれるため、正規のパックや再販企画で再登場することは事実上不可能となっている。

加えて、MTGは世界的にプレイヤーやコレクター人口が多く、最初期のアルファ版カードはカジュアル層のみならず投資家や美術品コレクターからも注目を集める存在となった。特にBlack Lotusは“パワー9”の中でもその象徴的な強さから圧倒的な人気を誇っているため、カタログ上での希少価値と相まって、オークションや専門店における取引価格は年々上昇の一途をたどっている。

歴史的経緯を紐解くと、1993年8月にリチャード・ガーフィールド博士が設計したMTGが世界で初めて発売された際、アルファ版として刷られた総生産数は約2500万枚と言われている。しかし、そのうちBlack Lotusが占める枚数はごく僅かであったうえ、製品としての初期不良やレギュレーション変更による需要変動などで、最初期に正しく入手された個体数はさらに限られる結果となった。結果として、「入手困難なうえにゲーム上最強クラスの効果を持つ」という両面が合わさり、コレクターにとって“究極の一枚”として神格化されている状況である。

同時期に発売されたベータ版、アンリミテッド版、さらにはコレクターズ・エディション(CE)やインターナショナル・エディション(IE)などでもBlack Lotusは収録されたものの、アルファ版は最も初期の印刷であるため枠の角が丸い仕様や印刷の濃淡がわずかに異なるなど、その一点一画にまで特別視されがちである。また、掲載されているイラストにも定評があり、アーティストであるクリストファー・ラッシュの象徴的な黒い蓮のデザインはMTGを代表するヴィジュアルとしてファンに深く印象付けられている。

こうした多層的要素の結果、Black Lotus(LEA)はしばしばカードゲームやトレーディングカード全体を象徴する“聖杯”と呼ばれるまでに至った。多くの大会フォーマットでは強力すぎるため制限枠あるいは使用不可になっているが、それでもなお歴史的・文化的価値が確立され、純粋なコレクションとして美術品や資産に近い扱いを受けるほどである。今なお世界中に存在する数少ない個体をめぐってオークションで高額取引が行われるほか、SNSやメディアの話題にも定期的に取り上げられるレジェンド的存在と言えよう。

総評

Black Lotus(LEA)は、MTGの世界観を象徴する最高峰のレアカードとして地位を確立している。その希少性、ゲーム上の強力な効果、歴史的意義、そしてコレクションアイテムとしての人気すべてが相まって、市場では極めて高い取引価格を誇る。再録禁止のため今後も供給は増えず、状態の優れた個体が見つかるほど希少価値はさらに高まるだろう。投資や収集の観点から見ても、カード界の頂点と言って差し支えのない一枚である。