Time Walk（LEA）

Time Walk（LEA）とは

**Time Walk（LEA）**は、トレーディングカードゲーム「マジック：ザ・ギャザリング（MTG）」の初期セットである「アルファ版（Limited Edition Alpha）」に収録された伝説的なソーサリーである。このアルファ版は1993年に発売されたMTGの最初期セットであり、印刷枚数が極めて少ないことから、現在では入手困難なコレクターズアイテムとして知られている。Time Walkは青のカードで、その効果は「あなたは、このターンに続いて追加の１ターンを行う。」という、極めてゲームを有利に進められる強力な能力を持つ。MTGにおける“Power 9（パワー・ナイン）”と呼ばれる伝説の超強力カード群の一角であり、競技的にもコレクター的にも非常に高い評価を受けてきた。

「追加ターンを得る」という能力はゲームの流れを大きく変え、攻撃や魔法の使用などを相手よりも多く行えるため、当時としては想像を超える強さとして認識されていた。さらにアルファ版のTime Walkはレアリティが高いだけでなく、印刷枚数も少ないため、現在ではオリジナル版を入手することは極めて難しい。長い歴史の中でさまざまな再録や類似カードが登場したが、初版であるアルファ版のTime Walkは別格の希少性を保っている。

希少性と高額取引の理由

Time Walk（LEA）の希少性は、主に下記の理由によるものである。

1. アルファ版の少ない発行枚数：アルファ版は総生産枚数が非常に少なく、MTG史上最も希少なセットのひとつとされる。初期不良や流通時の紛失なども相まって、現存する状態良好な個体は極めて限られる。
2. パワー・ナインの一角：Black LotusやAncestral Recallなどと並ぶ伝説的カードの一つであり、歴史的に大会で使用された実績も多い。公式フォーマットではヴィンテージでのみ制限付きで使用可能という扱いとなっており、その特別な地位が価格の上昇に拍車をかけている。
3. コレクター需要の高騰：MTGの歴史的価値を象徴するカードとして、多数の収集家や投資家がこのカードを求めている。オークションや専門ショップでの取り扱いでは数十万から数百万円単位の取引も珍しくなく、世界的なコレクターズ市場でさらに高額になる事例もある。

歴史的背景

マジック：ザ・ギャザリングは1993年にリチャード・ガーフィールドによって考案され、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から発売された。アルファ版は、そのMTGの最初の製品としてリリースされ、わずか数か月後に誤植修正などを施したベータ版が登場した。Time Walkを含むパワー・ナインのカードは、当時からあまりにも強力すぎるとして議論を呼び、MTG史においてレギュレーション変更や禁止カードリストの策定など、ゲーム設計の指標となる存在でもあった。

Time Walkは、その強力さと歴史性から、コレクターやトッププロプレイヤーたちがこぞって探し求める“究極のカード”として長年の人気を誇っている。現在では、ルール上ヴィンテージでのみ使用が可能で、1枚しか入れられない制限カード（Restricted）に指定されている。これは、同じくパワー・ナインを含む一部のカードがMTGに及ぼすゲームバランスへの影響があまりにも大きいと判断されているためである。

総評

Time Walk（LEA）は、MTGの黎明期から存在する超レアカードの代表格である。追加ターンを得るという革新的な効果を持つ点と、アルファ版という極めて限られた刷数が組み合わさり、現在では競技的・文化的・歴史的価値のすべてを兼ね備えた究極の一枚といえる。パワー・ナインの中でも高額取引されることが多く、投資対象としても注目を集めている。まさにTCG界のレジェンドにふさわしいカードであり、MTGの歴史を体現する存在である。