エクバリーリエ

エクバリーリエとは、2019年に開催された「エクストラバトルの日」において、優勝者やじゃんけん大会の勝利者へ配布されたプロモパックに封入されていた、極めて希少なポケモンカードである。通常の拡張パックからは入手できず、配布期間もごく短かったうえに、「リーリエ」「アセロラ」「グズマ」という3種類のカードがランダムで封入されていたため、狙って当てるのは困難を極めたと言われている。さらに、このエクバリーリエが他のカード以上に高い注目を集める要因として、リーリエというキャラクター自体の人気の高さと、イラストを手がけたイラストレーターの存在が挙げられる。

リーリエは、ゲーム『ポケットモンスター サン・ムーン』などに登場する主要人物で、作中において主人公の旅を支えるサポート役として活躍したキャラクターである。金色に輝く長い髪と、白いワンピースに大きな帽子という清楚な出で立ち、そして優しく控えめな性格から、多くのファンから根強い支持を獲得している。特にポケモンカードにおいては「がんばリーリエ」「リーリエの全力」「帽子リーリエ」など、どれも非常に高額で取引されるほどの人気ぶりを見せてきた。

本カードのイラストを担当したのは、ポケモンカード公認のイラストレーターである「さいとうなおき」氏である。氏はポケモンカードのみならず、さまざまな作品でその画力を発揮しており、キャラクターたちを可愛らしく、また躍動感あふれるタッチで描くことで知られている。このエクバリーリエのイラストは、物語終盤にイメージチェンジした後のリーリエが、夕刻を思わせる背景とともに、手に帽子を携えて振り向く姿を描いたもので、繊細かつ美しい仕上がりと言われている。

また、希少性が非常に高いことから、オークションサイトやコレクターズショップでは天文学的な価格で取引されてきた。特に状態がほぼ完璧とされるPSA10ランクの個体では、かつて3,000万円以上の取引が報告された事例もある。流通量が極めて少ないうえに、海外版やレプリカ品の偽物流通などの問題も生じたことで、さらに真贋鑑定品（いわゆるグレーディング品）の価値が上がるという現象が起こった。ポケモンカード市場全体のいわゆる「ポケカバブル」期には、狙って出回る枚数以上に需要が膨れ上がり、価格が急騰したとしても需要が供給を大きく上回っていた。

しかし、バブル崩壊と言われるタイミングで一時的な下落が見られたことも事実である。ポケカに対する投機的な動きがやや鎮静化してからは、急激な暴騰は落ち着きを見せたが、依然として希少性とキャラクターの人気が相まって、高額かつ入手困難なカードの代表格として名を馳せている。入手ルートとしては、専門的なコレクターやカードショップでの取り扱い、オークションサイトなどがあるものの、偽物やレプリカの存在には注意が必要である。実物の写真を細かく確認し、販売者の評価や鑑定証明をチェックするなどの慎重な検討が推奨されている。

エクバリーリエの人気はリーリエというキャラクターが持つ魅力とあいまっており、ポケモンカード界において長らく“女神”とも言われるほどに特別な存在感を放ち続けている。プレイヤー需要よりもコレクター需要が圧倒的に高いカードとして、今なお多くの人が手に入れたいと願う夢の一品となっている。

総評

まとめると、エクバリーリエは“特別な配布方法”“大きな人気を誇るキャラクター”“著名イラストレーターの手腕”“極少量の流通”という複数の要素がかみ合った結果、ポケモンカードの中でも屈指の高額・超希少カードとして知られている。急騰や下落を繰り返しながらも、コレクター界隈では安定して高レートで取引され続けており、今後もリーリエ関連カードの上位に君臨し続ける存在である。