Begotten

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不明
アイテム説明
概要
1989年に監督E・エリアス・マーヒッジによって制作されたアメリカの実験的ホラー映画である。上映時間は約72〜78分ほどとされ、徹底的に台詞を排したモノクロ映像が特徴的である。極端に粒子を荒らした映像加工を行い、場面をはっきりと視認しづらくすることで、観る者に神経を尖らせるような不穏な体験を与える作品として知られている。実際に本編では、神格的存在の自死から“Mother Earth”や“Son of Earth”の誕生、血や臓物の描写が続くなど、ストーリーよりも強烈なイメージの連なりに重きを置いた構成になっている。
作品の背景
本作は当初、舞台公演として構想されていたが、最終的に映画の形をとることになった経緯がある。大学時代に自主制作として始動したという話も伝わっており、監督自身は「太古の時代に埋もれていたフィルムを発掘したかのような質感を目指した」と語ったとされる。そのために一分間の映像を再撮影・再現像する作業に十時間近くを費やし、荒涼とした写りを生み出している。
物語としては創世神話のパロディ要素を含み、キリスト教的モチーフや異教的意匠など多様な神話観を取り込んでいるとも言われている。劇中で神や自然や人間が互いに激しく食い合い、砂地のような荒廃した場所をさまよいながら、血や身体の破片が強調されるシーンが散りばめられている。これらの映像は評価する者からは芸術的であると称えられる一方、一部の視聴者には非常に過激で不快感を覚えさせるため「観る者を選ぶ」作品として名高い。
また、音楽や台詞といった現代映画的要素を排除し、虫の鳴き声や風の音、かすかなノイズなどの効果音のみが全編を通して使われている。こうした手法は観客の想像をあえて掻き立て、映像を補おうとする意識を生み出すと同時に、“よく分からない不安”を倍増させる結果につながっている。
本作が広く知られるようになった要因の一つは、マリリン・マンソンなど一部のアーティストに影響を与えたとされるエピソードである。また、当時の映画雑誌でも「トラウマムービー」的な文脈でしばしば言及され、作品そのものの希少性も相まってコレクターズアイテム化した経緯がある。このDVDは現在廃盤扱いということもあり、高値で取引されるケースが見られるようだ。
総評
『Begotten』は、その映像表現や描写によって強烈なトラウマを植えつけるアンダーグラウンド作品として、カルト的な人気を得ている。物語の明確さよりも、むしろ“漠然とした恐怖”や“儀式めいた不気味さ”を体感することこそが本作の醍醐味と言える。誰もが気軽に楽しめる娯楽映画ではないが、その大胆な映像実験が後のホラーやアート映画の方向性にも影響を及ぼした点で、映画史上に残る異端の金字塔である/n/nただし現在ではYoutubeで本編が無料視聴できることを鑑み、relicレベルは1となっている。