3回見たら死ぬ絵(ベクシンスキー)

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art > 絵画 > ズジスワフ・ベクシンスキー
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取引価格目安
3,000,000円
所有者
不明
アイテム説明
「3回見たら死ぬ絵」の概要
「3回見たら死ぬ絵(ベクシンスキー)」とは、ポーランド出身の画家ズジスワフ・ベクシンスキーが描いた作品である。 ベクシンスキーは自身の作品にタイトルをつけなかったので、この作品にも正式なタイトルはない。インターネットを中心に「この絵を3回見ると死ぬ」という恐ろしげな噂が広まり、一種の都市伝説のように語られてきた。作品自体は椅子に腰掛けた人物像や退廃的な風景が特徴的であり、ベクシンスキー特有のゴシック調・シュルレアリスム的要素が色濃く表れている。
ベクシンスキーは1929年にポーランドのサノクで生まれ、少年期にポーランド侵攻や戦争の混乱を経験した。その影響もあってか、彼の作品には死や廃墟、絶望といった暗いモチーフが多く登場し、一見するだけで不気味な印象を与えるものが少なくない。しかし作品を鑑賞していると、単なるホラーでは語れない荘厳さや美しさを感じ取ることができるという意見もある。
ベクシンスキーは最初、写真や彫刻など多方面の創作を行っていたが、やがて油彩画を本格的に描くようになり、自身の内面世界を大胆に表現した。壮絶な個人史も有名で、1998年に妻を亡くし、さらに息子は1999年のクリスマスイブに自ら命を絶っている。これらの出来事から彼の内面はさらに深く沈み込んだとも言われ、生涯の終わりまで孤独を抱えながら創作を続けた。
2005年、ベクシンスキーは自宅で刺殺されて生涯を閉じた。罪を犯したのは、生活の世話をしていた旧知の友人の息子だったとされる。こうした悲劇的な最期も相まって、彼の描いた作品はよりいっそう神秘的で薄暗い魅力を帯び、世界中のコレクターやアートファンから注目を集めるようになった。
「3回見たら死ぬ絵」という呼び名自体は、ネット上で面白半分に囁かれ始めた都市伝説的要素が強い。しかしベクシンスキーの作風や彼の過酷な人生背景がその噂を後押しし、人々の興味と恐怖を掻き立てている面は否定できない。実際に3回以上眺めた人でも問題なく生きている者は数多く、いわゆる“呪い”を裏付ける実証は存在しない。だが、そのおどろおどろしいビジュアルは現在も多くの人を惹きつけ、SNS上でたびたび話題になるなど、フォークロア的な魅力を放ち続けている。
総評
ベクシンスキーの絵は、見る者の感情を大きく揺さぶる力を宿している。荒廃した世界観や捻じれた人体の表現などは、作者の生きてきた歴史や内的苦悩と深く結びついていると言われる。3回見たら死ぬという噂は単なるジョークあるいは都市伝説にすぎないが、それが広まるほど人々を強烈に惹き付ける不思議な魅力を持った作品と言えるだろう。