Timetwister（LEB）とは

**Timetwister（LEB）**は、トレーディングカードゲーム『マジック：ザ・ギャザリング（MTG）』のベータ版（LEB）に収録されたソーサリーである。通称「パワー9」と呼ばれる、極めて強力かつ入手困難な9枚のカードのうちの1枚であり、青の呪文の中でも歴史的かつ非常に高い評価を受けている。マナコストは(2)(U)で、一度の使用でゲーム全体の状況を大きく覆す能力を持つ。

その効果は「各プレイヤーが自分の墓地と手札をライブラリーに戻し切り直した後、新たに7枚のカードを引く」というものである。一度使えば、ゲーム中盤以降に尽きかけた手札を補填できるだけでなく、相手の手札や墓地が充実している状況下でもカードを引き直させる形となり、戦略を大きくシャッフルする。結果として膠着状態を一気に動かす、あるいは勝利の糸口を掴むための爆発的なカードアドバンテージソースとなるため、古参プレイヤーから現在まで多くの注目を集めている。

レアリティの高さ

ベータ版はアルファ版の次に製造された初期セットであり、印刷枚数が極めて少ない。そのため、同じ効果や同名のカードが他のエディションでも登場していても、LEB（ベータ版）の個体は希少性が段違いに高いといわれている。さらにベータ版の時点で「パワー9」の一角を担うカードゆえ、コレクターや投資家の間でも常に高値で取引される。市場に出回る数が非常に限られていることが、現代でもその価格を押し上げている大きな要因である。

歴史的背景

ベータ版は1993年にデビューしたMTG黎明期の製品で、魔術的世界観やゲームメカニクスがまだ未知の状態だった時代に登場した。Timetwisterは、独特のゲームデザインとストーリー性でプレイヤーを魅了したセットの一翼を担い、その後のMTGの方向性に大きな影響を与えたとされている。特に「手札を再構築する」という革新的な効果は、カードゲームの戦略性を大きく前進させた要素の一つと言える。現在でもヴィンテージやレガシーなどのフォーマットで使用が許可されており、歴史的な価値と実用的な強さを兼ね備えている点がこのカードの魅力である。

コレクション価値

Timetwister（LEB）は、「パワー9」のネームバリューだけでなく、ベータ版ならではのカード枠の質感やフレーバーテキスト、アートワークを含めてプレミアムな収集価値があるとされる。そのイラストはMark Tedin氏によるもので、時間のねじれや魔術的な世界観を示唆する洗練されたデザインが魅力を高めている。さらに、ベータ版は額縁が細い「ブラックボーダー」で印刷されており、アルファ版に次いで歴史上非常に重要な位置づけにある。したがって、単なるゲーム上の強さだけでなく、アートピースとしても高く評価されている点がコレクターたちをさらに惹きつけている。

入手と価格

LEB版Timetwisterはその希少性と人気から、オークションや専門店で数十万円から数百万円、状態次第ではそれ以上の値がつくことも珍しくない。アメリカや日本のみならず、世界各国で取引されるほどの国際的な需要がある。一方、Beta版の生産数自体が少ないため、市場に出回る機会も限られ、特に良好なコンディションの個体となると桁違いのプレミアムが付く場合もある。オーナーの多くは長期保管前提で手放さないため、市場への流通がきわめて低いことも価格を高騰させる理由である。

資産的側面

数あるMTGカードの中でも、Timetwister（LEB）は非常に安定した人気を誇っている。時間とともにカードが減少していくTCGの性質上、レアな初期版カードは徐々に価値が上昇しており、とりわけパワー9のカードは投資目的で購入されるケースも多い。こうした流通数の少なさと需要の高さによって、他の通常カードとの比較にならないレベルの価格帯が形成される一因となっている。

総評

最初期のMTGが持っていた魅力と魔術的世界観、さらに人々を惹きつける物語性までも内包しているのがTimetwister（LEB）である。歴史的かつ機能的に大きな価値を保ち、一般的な視点とは異なる次元での投資対象としても注目度が高い。コレクターズアイテムとしてもゲーム戦略上の要としても、唯一無二の存在感を放っており、その価格や入手難易度の高さは多くのコレクターやプレイヤーにとって大きな憧れと言えるだろう。