Bored Ape Yacht Club
カテゴリ
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Level
取引価格目安
10,000,000円
所有者
不明
アイテム説明
Bored Ape Yacht Club (BAYC)
Bored Ape Yacht Clubは、NFTスタジオであるYuga Labsによって2021年4月に発表された、イーサリアム上で稼働するNFTコレクションである。いわゆる「退屈して金余りの猿たちが集うヨットクラブ」というコンセプトをもとに、1万体の猿のキャラクターが用意されている。
各キャラクターは背景や目、服装、被り物などがランダムに組み合わせられるジェネラティブ方式で作成され、同じものは二つと存在しないという希少性を持つ。初期の販売価格は0.08ETH(約数万円)程度だったが、著名人による購入やSNS上での注目を集めた結果、価格は飛躍的に上昇した。中には数千万円から数億円の価値で取引されたケースもあり、NFT市場を象徴するプロジェクトの一つとして世界的に知られている。
BAYCの所有者には大きく四つの特典がある。一つ目は、BAYCを所有することで専用のオンラインコミュニティや限定イベントへ参加できること。Yuga Labs主催の「ApeFest」などでは、海外の有名アーティストのライブが開催される例も少なくない。二つ目は、商用利用の権利が付与される点である。BAYC保有者が、自分の猿のデザインを使ってグッズ販売やレストラン運営などを展開する事例も出てきており、Web3時代のIP活用の先駆けとなっている。
三つ目として、BAYC保有者には新たなNFTや暗号資産ApeCoin(APE)のエアドロップが行われる事がある。ApeCoinはプロジェクト全体のガバナンストークンとして機能しており、メタバースプロジェクト「Otherside」の土地販売などにも利用される重要な通貨となっている。そして四つ目、SNSアイコンとしての活用も大きな特徴である。Twitterなど各種SNSでBAYCの画像をプロフィールに掲げることで、一種のステータスやコミュニティメンバーとしてのアイデンティティが生まれる。
BAYCはNFTバブルの象徴と見られる時期もあったが、2022年以降の暗号資産市況の変動や市場の冷え込みの影響を受け、フロアプライスも高騰と下落を繰り返している。それでもBored Ape Yacht Club自体の知名度やブランド力は依然として高く、コレクターの間で「最も有名なNFTの一つ」として扱われている点は揺るがない。今後はメタバース上での活用や新たな派生NFT、さらにはコミュニティイベントといった継続的な展開が見込まれており、Yuga Labsの大規模プロジェクトと連動しながら成長を続けるだろう。
総評
Bored Ape Yacht Clubは、NFTアートという枠を超えて独自のコミュニティやブランドを築き上げた代表的な事例である。高額取引が話題となり、世界中の有名人や企業も保有・参入したため、NFTという概念を広く世に知らしめる象徴的な存在となった。価格の上昇・下落を伴うボラティリティの高い市場でありながらも、メタバースや独自トークンによる新展開が続けられており、NFTが単なる画像ではなく、知的財産やブランドの核として活用されうることを見せつけた。今後もBAYCを取り巻く環境は変化していくが、それがNFT文化を牽引する役割を担い続ける存在であることに変わりはないだろう。