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バロック(BAROQUE)セガサターン版

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カテゴリ

game > 奇ゲー > 不明

Level

取引価格目安

20,000円

所有者

不明

アイテム説明

バロック(BAROQUE)セガサターン版

バロック(BAROQUE)は、1998年にセガサターン向けにスティングから発売されたニュータイプ3D-RPGである。プレイヤーは崩壊した世界の塔「神経塔(しんけいとう)」を舞台に、乱れた世界観とダークファンタジーを思わせる退廃的な雰囲気の中で探索を行う。

本作は当時としては珍しかった3D視点のアクションRPGとして登場し、主人公は死んでも再び外界に戻るという世界観上の設定が特徴的である。そのため「死=ゲームオーバー」ではなく、何度も塔に潜り“歪んだ妄想”を抱える住人や“異形”と呼ばれる敵と戦いながら、謎に満ちた世界の背景を少しずつ明らかにしていく。光と影が入り混じるストーリーはカルト的人気を博し、発売から年月を経てもコアなファンを多く持つ稀有なタイトルといえる。

本作の稀少性

セガサターン自体が、プレイステーションとの競合時代を象徴するハードであり、本作はその後期にリリースされたタイトルでもある。セガサターン向けのソフトはプレステとの市場競争で生産本数がそれほど伸びなかった側面があり、特にバロックのようにコア層を狙った作品はロングセラーの反面、現代ではまとまった数で再流通しづらい。そのためコンディション良好な中古品や完品(箱・説明書付き)は希少化が進みつつあり、コレクター市場での需要も根強い。

また、物語に奥行きを与える設定資料や関連書籍なども作り込まれ、アドベンチャーゲームやコミック、さらには関連CDなど多角的な展開がなされていた点もコレクター心をくすぐる一因である。独特の世界観を堪能するには当時のハード・パッケージでプレイする体験が好まれ、エミュレーションや移植では味わえない「オリジナル環境での没入感」こそが入手難易度の高さを後押ししている部分でもある。

歴史的背景

バロックは、90年代後半からのコンシューマーゲーム史において、セガサターン末期を語る上で外せない作品である。1994年にセガサターンが登場し、当時は3Dグラフィックの草創期。アーケード移植や独自タイトルが数多く生まれる中、バロックは従来の2D志向のRPGとは一線を画す暗く耽美的な世界設定と3Dアクション要素を融合させた。発売時はメディアで大々的な宣伝が打たれたわけではないが、プレイしたユーザの口コミにより人気が広がり、今もなおリメイクや移植がたびたび行われている。

そして本作の印象的な特徴として、サウンド・BGMにも定評がある。薄暗い塔内で静かに流れる不気味な音響は、プレイヤーに常に緊張感をもたらす重要な演出になっている。こうした芸術性の高さと、独特の“死”の概念、ストーリー上のフラグ管理システムなどが相まって、コレクターズアイテムとしての価値を増している。

総評

バロック(BAROQUE)セガサターン版は、閉塞感漂うアクションRPGの世界観と、挑戦的なゲームデザインにより当時のファンを熱狂させた一本である。セガサターンというハードの歴史と相まって生じた生産数の限界、続編や関連メディア展開によるブランドイメージの継続などが重なり、今でも中古市場で安定した人気を保っている。世界観の暗さや操作面の難易度ゆえに万人向けではないものの、没頭できる作品としてコレクターやマニア層の需要は依然として高い。

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