ガラージュ 東芝EMI版

カテゴリ
game > 奇ゲー > 不明
Level
取引価格目安
150,000円
所有者
不特定多数
アイテム説明
ガラージュ 東芝EMI版とは
1999年に東芝EMIから発売されたPC用アドベンチャーゲームである。本作は開発元のキノトロープによって制作され、精神治療装置「ガラージュ」にかけられた主人公が、自らの内面世界を旅する過程を描いている。ゲーム内では独特の生態系やメカニックが混在する異形の空間が舞台となり、プレイヤーは燃料(ガソリン)や順応度(精神力)を管理しながら、自らの身体に似た奇妙な機械たちと交流していく。
本作が大きな注目を集めた理由の一つは、その極端に歪んだ世界観にあると言われている。たとえば、水浸しの空間やサビついたパイプが入り組むステージ構成、そして謎めいた住人たちとの会話など、強烈なビジュアルや設定がプレイヤーの心を掴んで離さない。ゲームはポイント&クリック型の探索とミニゲーム的要素を組み合わせた形で進行し、作りこまれた世界を少しずつ読み解いていく過程が本作最大の醍醐味とされている。
ガラージュ 東芝EMI版の生産本数はおよそ3000本のみとされ、当時は東芝EMIがCD-ROM事業から撤退する時期と重なっていたことから、初版の追加生産も実施されずに販売終了に至った。このように供給数が極めて限られていたこと、そして当時から一部のファンの間で“歪みゲー”の最高傑作として熱狂的な支持を得ていたことが重なり、プレミア価格がつくほど稀少なアイテムとなった。中古市場では長らく高値で取り引きされ、数十万円の価格がつくケースも珍しくない。
その後、2004年には作者である作場知生氏が個人で再版を行い、「私家版」と呼ばれるバージョンが販売されたが、いずれも少数生産のため依然として入手難である。さらに近年は、モバイル向けリメイク版やSteam版などがリリースされたものの、初期の東芝EMI版パッケージは今でもコレクターたちの間で特別な価値をもつとされている。
歴史的背景として、本作は開発元であるキノトロープによる実験的なゲームデザインの成果であり、同時期に発売された『クーロンズゲート』や『BAROQUE』と並んで「三大歪みゲー」と呼ばれることもある。これらはいずれもサイケデリックかつ退廃的な世界観を特徴とし、当時のゲーム市場では異端とも言えるほど独特のアプローチをとっていた。その中でも『ガラージュ』はシナリオ・演出ともに隠喩と暗示に満ち溢れた作品として語り継がれており、実際にプレイした者の多くがその深淵な魅力にとりつかれたとされている。
初版の東芝EMI版に付属するパッケージやマップなどは非常に貴重で、完全美品の状態となると市場流通がほとんど見られない。再版の私家版と内容的には同一だが、入手難度の高さからコレクターズアイテムとしての価値が一段と増しており、現在でもオークションサイトやフリマアプリで高額落札が相次いでいる。これほど高い価格帯で取引される理由は、単に生産数の少なさだけではなく、強烈に個性的なゲーム体験が“唯一無二”であると認知されているからだろう。
ガラージュ 東芝EMI版は、当時のPCゲーマーを驚かせただけでなく、今なお語り継がれる伝説的存在である。独創的なビジュアルとサウンド、そして迷宮のようなゲームシステムに没頭した体験は、プレイした者の心に強い印象を残すといわれている。まさに、コレクターのみならずゲーム史に興味のある人々にとっても見逃せない作品といえるだろう。