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LSD初回版

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カテゴリ

game > 奇ゲー > 不明

Level

取引価格目安

120,000円

所有者

不特定多数

アイテム説明

概要

PlayStation向けに1998年10月22日にアスミック・エースから発売された、いわゆる「ドリームエミュレータ」である。初回版にはオリジナル楽曲のみが収録されたボーナスCDが同梱されていたた。現在流通している数が極めて少なく、マニアやコレクターの間で根強い人気を誇ると言われている。価格帯も年月を経るごとに高騰傾向にあり、10万円を超える取引がオークションや通販サイトなどで日常的に見受けられるなど、その希少性から非常に価値が高いアイテムとして認知されている。


歴史的背景やストーリー

本作はアウトサイド・ディレクターズ・カンパニー(OSD)が開発し、企画・プロデュースおよび音楽を佐藤理が担当している。発売当初は「こんなのゲームじゃない」という挑発的なキャッチコピーも相まってゲーム誌等での評価は低かったが、その実験的かつ芸術性の高い作風が海外でカルト的な人気を呼び、後に再評価の流れが生まれたとされている。2010年にはゲームアーカイブス対応ソフトとして配信され、2017年には英国のロックバンドであるアルト・ジェイが自身のアルバムのアートワークに本作を用いたことでも話題となった。また初回限定版にのみ付属したボーナスCDには、本編の楽曲をはじめ、ケン・イシイやμ-Ziqといった有名アーティストによるリミックス音源が収録されていた。


アイテムとしての魅力

本作の大きな特徴は、プレイヤーに明確な目的やゴールを設定しない点にある。プレイヤーは一人称視点で自由に“夢の世界”を彷徨うが、操作できるのは移動や視点の変更程度であり、戦闘・謎解き・会話といった要素は存在しない。夢の世界はじわじわと色彩やテクスチャが変化していき、壁や奇妙なキャラクターに触れると別の場所へとワープ(リンク)する。そのプロセスは一見ランダムにも見えるが、ある程度の規則性が見え隠れするため、何度も“夢”に入り込んで全容を探りたくなる魅力があると言われている。

このような特異なゲームコンセプトは、10年間書き溜められた“夢日記”をもとに制作されたとされる。サイケデリックで支離滅裂な世界観は、人間の潜在意識の深層部を視覚化したかのような独創的な体験をプレイヤーに与える。幻覚剤に由来するタイトル“LSD”から連想されるように、異様なビジュアルやサウンドが断片的かつ強烈に響き、ひとたび興味を惹かれたプレイヤーには強い印象を焼き付ける要素になっている。


なぜ希少性が高いのか

  1. 初回限定版の少なさ : 本作は生産数がもともと多くなく、さらに初回限定版のボーナスCD付きはごく僅かであったため、現在の中古市場で見つかる数は極めて少ないとされる。
  2. 海外での再評価 : 発売当初は国内であまり注目されなかったが、海外のゲーム愛好家や動画配信などを介して徐々にカルト的な人気が広がり、需要の高まりによって価格も高騰した。
  3. ユニークなゲーム性 : クリアという概念がない異色のスタイルが独特の話題性を呼び、コレクターが「一種のアート作品」として収集したいと思う要因になっている。
  4. 関連するリミックス音源の希少性 : 初回版に付属するリミックスCDはこのセットでしか手に入らず、テクノシーンにおいても価値がある音源とされる。

プレイ内容とエンディングの有無

ゲーム中には“謎の紳士”と呼ばれるキャラクターが登場し、接触するとこれまで見てきた夢のリプレイ(フラッシュバック機能)が抹消されるなど、いくつかの注意点もある。明確なゲームクリアは存在しないが、日数を重ねることで見られる“エンディングらしき映像”はあり、夢の日数が進むたびにテクスチャや出現する映像が変化していく点も本作の醍醐味と言える。いわばプレイヤーが“夢を観測し続ける”ことこそが目的となっており、一種のアートインスタレーション作品とも言える。

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