GO HOME

カテゴリ
game > ホラー > 不明
Level
取引価格目安
2,000円
所有者
不特定多数
アイテム説明
概要
2000年代の日本の住宅街を舞台にしたノスタルジックホラーアクションゲームである。市松人形Vtuberとして活動する市松寿ゞ謡による初のホラーゲーム作品で、2019年にβ版が無料配信された後、2020年にSteamにて正式リリースされ、2021年にはNintendo Switch版も発売されている。プレイヤーは七五三姿の7歳の少女「鈴木モザイ子」となり、両親とはぐれた状態で家に帰ろうとするのだが、道中では人面犬や首のない幽霊、背中を逆様に曲げながらピアノで追いかけてくる怪異など、常識離れしたクリーチャーが多数登場すると言われている。さらに爆音のクシコス・ポスト(天国と地獄の通称)を流しながら猛スピードで襲いかかる「クラウディア」の存在は非常に強烈で、ゲーム内の強キャラとして多くの初見プレイヤーを驚かせる要素となっている。
見た目はホラーだが、BGMのテンポや演出効果がコミカル要素を強めており、笑いと恐怖が同居する独特の作風が魅力である。制作者の市松寿ゞ謡は本作の演出をほぼ単独で作り上げており、ホラーゲームという枠を超えたサイケデリックな表現や超常的なキャラクター造形が話題を呼んでいる。また、Steam版やNintendo Switch版の追加要素として、別のホラーゲームである『シャドーコリドー 影の回廊』とのコラボステージも収録されている。
歴史的背景・希少性
本作はホラーゲームながら、2000年代日本の懐かしい住宅街を忠実に再現し、七五三の少女が体験する不条理な出来事を通して過去のトラウマや家族との思い出を表現したストーリーが特徴である。ゲーム内では両親の死を示唆する描写もあり、ノスタルジーと怖さに加え、哀愁や家族の絆が暗示されている点で人気を博している。
さらに作者が市松人形の姿でVtuber活動をしながら同人的アプローチで開発を進めた経緯もあり、同作はAAAタイトルとは異なる独特の個人制作感を目玉に見事な仕上がりを成し遂げた点で評価されている。ゲーム実況者の間でもよく取り上げられ、コミカルな追いかけっこと突然のホラー演出で視聴者を楽しませる作品として定着しているため、ホラーゲームファンからの注目を高めた。
エピソードとストーリー
ゲーム冒頭は神社からスタートし、マンホールを使ったテレポート能力を軸に家へ帰る展開となる。夜の住宅街へ移ると、「首ちょんパパ」と呼ばれる首から血を噴き出す幽霊が象に乗って徘徊し、見つかると即ゲームオーバーとなるなど何かと理不尽さを感じる仕掛けも多い。一方でゴール目前の公園ではタコの怪物との疑似ボスバトルが始まるなど、突然ジャンルが変わるような演出が盛り込まれている点もユニークである。最終的には大人になったモザイ子が過去の自分を振り返り、家族との思い出を抱えながらも人生をやり直す、という余韻あるエンディングを迎える。
ホラーといっても心臓が止まるような純粋な恐怖一辺倒ではなく、「天国と地獄」のメロディに合わせて走り回るクラウディアや人面犬などの奇妙さがプレイヤーに強烈なインパクトを与え、そのギャップが笑いを誘うのが魅力の一つである。多くのホラーゲームとは異なる“怖いのに騒がしく笑える”作品として評価され、国内外の実況者によるプレイ動画は数多くの再生回数を記録している。
総評
『GO HOME』はノスタルジックでありながら悪夢的な演出をふんだんに取り入れ、開発者の個性が詰まったインディーゲームの好例である。独自のホラーテイストとコミカル要素を融合させることに成功し、ゲーム実況でも大きな盛り上がりを見せ続けている。ホラーゲーム好きだけでなく、一風変わった演出に興味のあるプレイヤーにもおすすめできる一作である。